元祖大師御法語 後編
第十七 百万遍
百万遍の事、佛の願にては候わねども、小阿彌陀経に、若は一日、若は二日、乃至七日、念佛申す人、極楽に、生ずると、とかれて候えば、七日念佛申すべきにて候。
その七日の、ほどのかずは、百万遍に、あたり候うよし、人師釈して候えば、百万遍は、七日申すべきにて候えども、たえ候わざらん人は、八日九日などにも申され候えかし。
さればとて、百万遍、申さざらん人のうまるまじきにては候わず。
一念十念にても、うまれ候うなり。
一念十念にても、うまれ候うほどの、念佛と思い候ううれしさに、百万遍の、功徳を、かさぬるにて候う也。