元祖大師御法語 前編
第七諸佛証誠
六方恒沙の諸佛、舌をのべて、三干世界に、おおいて、もはら、ただ彌陀の、名号を唱えて、往生すというは、これ真実也と、証誠したもうなり。これ又念佛は、彌陀の本願なるがゆえに、六方恒沙の諸佛、これを証誠し給う、余の行は、本願にあらざるがゆえに、六方恒沙の諸佛、証誠したまわず。これにつけても、よくよく御念佛候うて、彌陀の本願、釈迦の付属、六方諸佛の護念を、ふかく、こうぶらせ、たまうべし。彌陀の本願、釈迦の付属、六方の諸佛の護念、一々にむなしからず。このゆえに、念佛の行は、諸行に、すぐれたるなり。
六方の世界にまします無数の仏たちは、それぞれの世界において全世界を覆うような広くて長い舌を出し、仏の言葉に誤りがないことを示しながら、専ら念仏を唱えれば必ず往生できるという教えは真実であることを証明し給うている。
これもまた念仏が阿彌陀佛の本願の行であるから、六方の無数の仏が異口同音に証明し給うたのである。その他の行は本願でないから六方の諸仏が証明給わぬのである。
それにつけてもよくよく念仏を唱え阿彌陀佛の本願、釈尊の委嘱に応え。
六方世界の仏たちの護念を被るようにしなくてはならない。
念仏は阿彌陀佛の本願の行であり、釈尊が委嘱した法門であり、六方世界の諸仏が証明し護念し給う行であることは、みな経文に説かれている通りである。
こうしたわけで念仏は諸行の中で最も勝れた行なのである。